2005年2月18日(金)14:45

フィッシャー独外相はEU憲法の早期可決を求める

ベルリン(AP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は連邦議会と連邦参議院に対して、EU憲法を夏休み前に可決するよう求めた。そうすればドイツは欧州全体に推進シグナルを送ることができる、とフィッシャー外相は金曜日、連邦参議院における批准手続き開始にあたって述べた。外相はドイツの諸州に対して、ドイツの利益に反するような制約を設けぬよう強い調子で勧告した。連邦議会は来週EU憲法の協議を開始する。EU憲法条約の発効には加盟全25ヶ国の批准が必要である。

バーデン・ヴュルテンベルク州のエルヴィーン・トイフェル州首相は、憲法草案は「前進への大きな一歩」と述べた。しかしスムーズな批准だけでなく、憲法に関する協議も満足できる結論に至ることが必要だ。EUが越権行為に及んだ場合、州には訴権が認められねばならない、とキリスト教民主同盟所属のトイフェル州首相は語った。

ラインラント・プファルツ州のクルト・ベック州首相(社会民主党)は、EUにおけるドイツの政治的重要性は特別の責任をも伴う。速やかにEU憲法を承認すれば、他の場所でも批准の可能性が高まる、と述べた。トイフェル州首相の要求についてベック州首相は、政府の交渉の余地を狭めてはならない。「私たちは全体として正しい方向に進んでいると思う」。私は、権限に関して永遠にいざこざが続くものとは思わない、と語った。

フィッシャー外相は、スペインが日曜日に国民投票でEU憲法の採否を決定することに言及した。8000万以上の人口を抱えるドイツのような連邦制国家は、妥協点の模索で自らを縛ることのないよう特に注意する必要がある。連邦参議院が特定の問題でどのような立場にあるか、政府が見極めることが「賢明な政治の要請するところ」である。しかし私はあらかじめ制約を設けることには反対だ、と外相は語った。外相は本質的な問題については州との間で速やかな合意が得られるとの見解を表明した。

欧州憲法条約は国家主権の委譲を含むため、連邦議会と連邦参議院のそれぞれで3分の2の賛成が必要となる。この条約により、EUと加盟国の権限がこれまで以上に具体的に画定され、特定多数決で決定される分野が拡大する。特定多数決はいわゆる二重多数決によって行われ、加盟国の55パーセントかつEU人口の65パーセント以上の賛成が必要となる。

EU憲法では、世界政治の舞台におけるEUの行動能力を高め、欧州を統一的に代表できるよう、欧州理事会の大統領とEU外相の職が新設された。法律共同体および価値共同体としての欧州連合の性格は、欧州基本権憲章を採り入れたことで強調される。各国や地域の共同参加権も強化される。各国議会、たとえばドイツの連邦議会と連邦参議院などは、もし新たなEU法案が補完性原則に反した場合、いわば早期警告システムの枠内で6週間以内に異議申し立てを行うことが認められている。

原題:Fischer fuer rasche Verabschiedung der EU-Verfassung




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